国民の全てを犠牲にして国を守るべし!
恐るべき夏侯龍の行動を前に、粛正と恐怖政治で振るえていく韓国。
そしてついに大王から檄を飛ばすべきと進言する夏侯龍!
その言葉に王は檄を飛ばすのか?
揺れ動く韓国の運命はどうなってしまうのか?
寧姫の決断が国の行く末を決める!
韓内部の崩壊──夏侯龍の恐怖政治と寧姫の焦燥
夏侯龍、檄を飛ばすよう王に進言!
物語は、夏侯龍が韓王に対し「大号令(檄)を発して国民を鼓舞してほしい」と進言する場面から始まります。
その意図は明確──国民全員を戦いに駆り出し、韓の最後の防衛線を築こうというもの。
しかし、それはすなわち“逃げ道を断ち切る”ことでもあり、玉砕覚悟の決断を意味します。
王の沈黙と退席──信頼の崩壊
その提案に対し、韓王は言葉少なに「考えさせてくれ」と言い残し、玉座を去ります。
この対応に、朝廷内は騒然。
王の評判は急落し、民や文官たちの不信感が一気に高まります。
唯一、冷静さを保つ夏侯龍が逆に恐ろしく感じられる描写は、今の韓が“暴走する軍と沈黙する王”に引き裂かれていることを象徴しています。
寧姫の涙と覚悟──国民を守るために戦う
処刑された王族──恐怖政治の象徴
王を追って別邸へ向かう途中、寧姫は落亜完とヨコヨコに出会います。
そしてそこで目にしたのは、斬首された3人の王族の首──夏侯龍による粛清でした。
彼はもはや王家ですらも例外ではない、完全な恐怖支配を実行しており、落亜完も「この男に強権を与えれば国が滅ぶ」と警鐘を鳴らします。
寧姫の叫びと後悔
5歳以上の子供すら徴兵対象となった今、寧姫は張宰相の責任感すらも超えた民の重みを痛感。
「たった一人の老人が、全ての民の命を背負えるはずがない」
涙ながらにそう訴える寧姫は、国家の矛盾と戦争の残酷さの板挟みに立たされています。
「国のために死んだ民の命は、本当に報われているのか?」
落亜完との対話を通じて、寧姫は“兵士の死に意味を持たせるために、国を守る”という論理と、“民を守ってこその国家”という正義の間で、深く揺れ動きます。
王の本音──「私はただの普通の人間だった」
王の語る過去──普通でありたかった人生
別邸で茶を飲む韓王。
寧姫の怒りに対して、彼は意外にも穏やかに答えます。
「私は普通の人間だ。ただ普通に生きて、普通に死にたかった。」
王家に生まれたこと、戦乱の時代に生まれたこと、何一つ望んだわけではない──彼の口から語られるのは、王としての資格のなさに対する自責と諦めです。
娘・寧姫への想い
王は、かつて美しかった皇后との出会い、娘・寧姫の誕生を“人生最大の幸福”だったと語ります。
そして、彼にとって寧姫こそが王家を継ぐべき才を持つ唯一の存在であり、自分は「頼りない王」だと自嘲。
王としての重圧に耐えかねていた彼の言葉は、寧姫を信頼しているからこそ吐き出せた本音でもありました。
決断の時──迫る秦軍と無血開城の選択肢
騰との会談と“無血開城”の提案
寧姫がかつて英呈平原で騰と会談した際、提示されたのが“無血開城”。
秦の大将軍・騰は「新鄭を明け渡せば、民を殺さずに済む」と説き、王もその提案が正しいことは内心理解しています。
しかし、170年続いた韓の歴史と誇りを自ら終わらせる決断が、王にはどうしても下せない──
「降伏すれば、先人の想いを踏みにじることになる」
「だが戦えば、民の血で国は滅ぶ」
この二律背反の狭間で、王は涙を流しながら苦悩します。
迫る秦軍──残された時間はわずか
そんな中、ついに新鄭へ向けて秦軍が進軍を開始。
平原を埋め尽くす大軍勢が押し寄せる中、王と寧姫には決断の猶予が残されていません。
無血開城か、総力戦か。
韓王が“普通の人”として生きていたいと願った結末は、国の未来をも左右する歴史の分岐点へと繋がっていきます。
✅キングダム835話まとめ|王の本音と寧姫の覚悟が交差する瞬間
- 夏侯龍が粛清を断行、王族までも処刑対象に
- 寧姫は落亜完との対話で「民を守る覚悟」を再確認
- 韓王は「普通の人間だった」と本音を吐露
- 騰の無血開城提案を巡り、国か民かの選択が迫られる
- 秦軍が新鄭へ進軍、次回836話で決断の瞬間が描かれる可能性大
キングダム835話『普通の人』は、戦国という非常な世界における“普通であることの苦しみ”を描いた名エピソードでした。
寧姫は民を、王は誇りを、それぞれの立場から守ろうとしています。
836話では、韓王の最終決断が下され、新鄭攻防戦がついに本格化するでしょう。
寧姫の選ぶ道、王が下す判断──その先にある韓国の未来とは?