秦軍を前に大敗を喫してしまった洛亜完軍の新鄭への敗走。
兵士の無言の帰還に涙する遺族と重傷を負いながらも家族と涙の再会を果たす兵士にごった返す中で寧姫は何を思うのか?
そして夏侯龍の暴走が、さらに新鄭を混沌へと招く!
はたして韓の運命は?
そんな第834話の紹介をします!
韓軍の敗走、涙の帰還──寧姫が見た“正夢”の現実
キングダム第834話は、洛亜完軍の敗走から始まる。
帰還する兵たちは疲弊し、片腕を失いながらも家族との再会を果たす者もわずかにいる一方、多くは無言の遺体となって帰ってきた。
その凄惨な光景に、寧姫はただ滂沱の涙を流す──
これはまさに、彼女が以前見た“悪夢”が現実になっていく第一歩だった。
万歳三唱の裏に潜む虚無──新兵たちの崩れゆく士気
新鄭に並ぶ戦死者の遺体。それを目の当たりにした新兵たちは震え、嘔吐し、失禁し、戦場の現実に心を砕かれていく。
ほとんどが臨時徴兵で集められた若者たち──
中には復讐心や憧れで志願した者もいたが、今はその目に迷いと恐怖が宿っている。
そこへ登場したのは、あの夏侯龍。
彼は戦死者を“英雄”として称え、「次はお前たちの番だ」と新兵に鼓舞する。
その言葉に強面の先輩兵士が圧をかけ、万歳三唱を無理やり叫ばせる構図は、もはや士気高揚ではなく“恐怖と同調圧力”。
寧姫はその様子を見つめ、不安を募らせる。
彼女の視線の先にあるのは秦軍ではなく──暴走を始めた夏侯龍の姿だった。
「このままでは、新鄭は外からではなく内側から崩壊する──」
韓・魏・趙が交差する戦局──魏の援軍が迫る!
場面は韓から、魏と秦の国境地帯へ。
魏の猛将・凱孟が6万の兵を率い、玉鳳軍5万と交戦中。これは新鄭への援軍を送るための足止め作戦だ。
凱孟の圧倒的な武力の前に、玉鳳軍は苦戦。
王賁は冷静に状況を見据え、少数ながらも凱孟を止めようと奮戦している。
一方、舜水樹は7万の兵を率いて黄河を越え、楽華軍5万と激突。
副官・馬南慈は宿敵である楽華への闘志を燃やし、新鄭への道を切り開こうとする。
秦国内の咸陽では、英呈平原の勝利に喜びつつも、魏・趙の援軍による“包囲網”に焦燥感が広がっていた。
「この戦いの鍵は、新鄭を一刻も早く落とすこと──」
騰と信への期待だけが、今の秦を支えている。
王を追い詰める夏侯龍──民を巻き込む“最後の戦”へ?
そして、新鄭に戻ると──
朝廷では夏侯龍の暴走がさらにエスカレートしていた。
敗戦の影響で士気が落ちていることに対し、「なぜやる気がないのか?」と不満を漏らす夏侯龍。
寧姫や一部の文官は「この状況で士気が上がるはずがない」と感じているが、彼の目にはそれすら“非国民”のように映っているようだ。
そしてついに、夏侯龍は王に「国民総決起」を命令するよう進言する。
「最後の一人になっても戦え」
民の逃亡を許さず、玉砕を命じるその言葉に、寧姫の心は震える。
「王よ、今こそ判断の時です──この国を守るとは、どういうことなのか」
王の表情は沈み込み、もはや“王であること”の重みに押し潰されそうだ。
この判断次第で、韓国の未来は大きく左右される──
次回835話で、いよいよ王の決断が下されるかもしれない。
まとめ|キングダム834話の注目ポイント
- 寧姫が見た悪夢が、ゆっくりと現実になり始める
- 新鄭に響く“万歳三唱”は、希望ではなく虚無だった
- 魏・趙の援軍が秦軍を圧迫、王賁と楽華が防衛に奔走
- 夏侯龍、ついに“総決起命令”を王に要求
- 次回は、王が“降伏か玉砕か”を決める重大局面へ
韓の崩壊は目前。
だが、“滅びる国”にも選択の自由は残されている──その最後の選択を、王は下せるのか?
キングダム835話にも、要注目だ。