秦と韓の長き戦いに、ついに終止符が打たれた第840話「譲渡」。
この話では、洛亜完将軍の決断、飛信隊の入城、そして王安王の最後の命令が描かれ、韓という国の終焉が静かに、しかし確かに刻まれました。
本記事では、ファン目線で胸に迫る展開の数々を丁寧に振り返りつつ、次回以降への展望も交えながら、深堀りしていきます。
洛亜完の決断──韓の魂を守るために
苦渋の反逆──洛亜完の戦略的撤退
秦軍に包囲される中、洛亜完はあえて戦わず、蘭城への撤退を決意。正面に騰、左右に録嗚未と干央という布陣に対して戦えば、民の犠牲は避けられない。あえて”反逆者”となることで、新鄭内の流血を防ごうとする洛亜完の覚悟が際立ちました。
ヨコヨコとの別れ──信頼と感謝の絆
部下ヨコヨコの「新鄭に残って兵たちの先導役を」との進言を断り、自らがその役目を果たすと主張した洛亜完。その裏には、過去に自分の家族を助けてくれたヨコヨコへの深い感謝と、韓の精神を未来へ繋ぐという大義がありました。この別れは、武将としての矜持と人間としての恩義が交差する名シーンです。
寧姫の気絶──限界を超えた王女の勇姿
洛亜完を見送り、全ての重圧から解放された寧姫は、ついに意識を失います。前話に引き続き、命懸けで国を守ろうとした彼女の奮闘が、物語に凛とした緊張感をもたらしました。倒れた姿にファンからは「無事であってほしい」と多くの声が上がっています。
信が見た韓の結末──勝利に浮かぶ虚無
飛信隊、王都・新鄭へ入城!
ついに信たち飛信隊が新鄭の門をくぐります。かつては激戦を経て勝ち取ってきた戦果とは異なり、今回は戦わずしての入城。その静けさに、仲間たちは戸惑い、そして喜びを見せます。
信の戸惑い──国を滅ぼすとはこういうことか
信は喜ばず、淡々と「国を亡ぼすって、こんなものか」と呟きます。そこには、長きにわたり守られてきた韓が、一夜にして無に帰す現実への虚無感がありました。これは、ただ勝ち続けるだけの戦いではないという、戦争の本質を示す名場面と言えるでしょう。
羌瘣との対話──仲間の支え
そんな信の様子に、そっと声をかけるのが羌瘣。彼女の存在が、信の迷いを受け止め、次なる戦いへの原動力になることは間違いありません。さりげない一言に、仲間の絆の深さがにじみ出ます。
王安王の最後の命令──譲渡される王座と未来
夏侯龍の暴走──最後の反抗者
朝廷では、降伏に納得できぬ夏侯龍が、王安王を糾弾。衛兵に処刑を命じますが、忠義の兵たちは夏侯龍に剣を向けます。ここに王安王の威厳が復活し、韓朝廷の動乱に終止符が打たれました。
玉座を見上げる王──自省と感謝
白髪となった王安王は、玉座を見上げ「こんなに高かったのか」と呟きます。人々と目を合わせるのが怖かった王が、最後に自らの選択と向き合い、重圧から解き放たれる姿は静かな感動を呼びました。
張宰相への託宣──韓の未来を秦へ
王は張宰相に、秦への統治譲渡を正式に依頼。これにより、韓の国としての歴史は幕を下ろします。王安王の最後の決断が、未来への橋渡しとなる場面です。
韓の終焉と中華統一への序章
歴史的瞬間──韓、ついに滅ぶ
この瞬間、戦国七雄の一角・韓が完全に滅び、中華統一への道筋がまた一歩進みました。史実でも始皇17年、騰が韓を滅ぼしたことが記されています。
騰の礼節──勝者の品格
韓王の降伏に際し、騰は丁重に接し、玉座に額をつける王安王の姿を静かに見守ります。勝者の礼節と、敗者の誇りが交差する、美しくも哀しい瞬間です。
新たな戦乱の予感──次なる目標へ
韓を平定した秦は、いよいよ次なる戦へと動き出すことでしょう。趙か?魏か?それとも楚か?中華統一へと進む始皇帝の野望は、これからどのような物語を紡いでいくのでしょうか。
まとめ|キングダム840話「譲渡」感想
今話は、「戦の終わりとは何か」を多角的に描いた重要回でした。
武力ではなく、心で守った洛亜完の行動。
静かな入城の中で揺れる信の心。
王安王の最後の決断──そのすべてが、キングダムらしい“人間ドラマ”として読者の心を打ちました。
韓という国が滅びた今、物語はまた新たなステージへ。
中華統一の道はまだ遠く、その途中で描かれる人々の想いに、これからも目が離せません。
次回841話では、信たち飛信隊が新たな戦地へと赴く様子が描かれるのか、それとも寧姫の容態や韓の後日譚に焦点があたるのか──さらなる展開が楽しみですね!