ついに始まってしまった秦軍による新鄭攻略──
破られた城門、押し寄せる秦の兵たち、老若男女問わず虐殺されていく市民たち。
寧姫は民から「降伏しなかったお前のせいだ」と責められ、ただ謝罪することしかできない。
新鄭が燃え堕ちる中で、寧姫の慟哭が響きわたる──
……しかし、それは悪夢だった。
先に前回の考察を振り返りたい方は、こちらのキングダム832話「東砂の激戦」最速感想×考察 | 羌瘣の閃き、韓の命運を揺るがすをどうぞご覧ください。
寧姫が見た悪夢──炎に包まれる新鄭の未来
寧姫の悪夢から始まった今回のキングダム833話。
城門を破られた新鄭に侵入する秦軍、民が女子供も関係なく虐殺される様子──
それはまさに“地獄絵図”。
🔹女子供も容赦ない地獄絵図…その正体は
燃え盛る街、責められる寧姫、涙ながらに謝罪する姿……しかしこれは悪夢。
とはいえ、夢で見た光景は決して非現実ではなく、まさに“現実になり得る未来”だった。
🔹追い詰められる寧姫、極限の精神状態へ
連日の会議と緊張の中、寧姫の心はすり減っていた。
「夢であってほしい」と願うような現実が、すぐそこまで迫っていることが読者にも痛いほど伝わってくる。
非常事態宣言、始まるクーデター政権
夢から覚めると、今度は本物の異変が──。
寧姫が知らぬ間に朝廷が開かれ、張宰相が独断で“第一級非常事態宣言”を発動。
🔹張宰相の独断と武装兵の配置
鎧に槍を持った兵士が朝廷に配備され、文官の拘束も始まっている。
もはやこれは“緊急事態”というより、“クーデター”。
寧姫も「やりすぎだ」と怒るが、張宰相は淡々とした態度で全てを押し切る。
🔹夏侯龍が牛耳る“恐怖の朝廷”
張の背後には、治安維持軍の長・夏侯龍が。 彼の存在が、今の韓王朝で最も危険な存在となりつつある。
国民総動員!夏侯龍が告げた戦慄の徴兵令
夏侯龍が出した次の“提案”──
それは5歳以上の全住民を徴兵し、国民総力戦を実施するという内容だった。
🔹5歳以上全員戦力化?異常すぎる命令
軍人だけでは足りない。国を守るためなら、民間人すら武器を持て──
それが夏侯龍の方針だ。 この提案に寧姫は猛反対し、他の文官も凍りつく。
だが、夏侯龍は一切意見を変えない。
🔹寧姫の反論と「降伏発言」の波紋
「民を守るのが国のあるべき姿だ」と語る寧姫。
「民を死なせるくらいなら降伏する方がまし」と、ついに本音が口を突いて出てしまう。
夏侯龍は冷静に「今の発言は聞かなかったことにする」と言うが、その口調は静かであるが確実な“脅し”だった。
恐怖政治、そして民衆との断絶
夏侯龍はすでに文官を拘束し始め、秦軍の話題を出しただけで“反逆罪”として罰するようになっていた。
🔹処刑、密告、沈黙…失われた信頼
この統制の中、誰もが怯え沈黙し、朝廷内の空気は完全に支配されている。
寧姫の声すら届かない──
まさに恐怖政治の完成形だ。
🔹騰の警告が現実に、崩壊は加速する
かつて騰が語っていた“国家が内部から崩壊する”という警告──
それが、まさに今起こっている。
寧姫、倒れる──疲弊と絶望の果てに
あまりに強すぎるストレス、そして全く通じない正論──
寧姫はついに体調を崩し、倒れてしまう。
🔹夏侯龍の圧に屈した朝廷
誰も彼女を守らない。
国の未来を見据えた声は「甘い」と切り捨てられ、彼女の存在すら妨げのように扱われるようになる。
🔹洛亜完帰還、そして次回の波乱へ
物語の最後、戦場から帰還した洛亜完の姿が描かれる。
だが、彼の帰還が事態を収拾する希望となるのか──
それともさらなる混乱を招くのか。
韓の崩壊は、まさに最終段階に入ろうとしている。
まとめ|国を守るための“犠牲”と、寧姫の涙の訴え
- 寧姫が見た悪夢は、現実になる寸前の未来だった
- 張宰相と夏侯龍による非常事態体制が発動
- 国民総動員の徴兵令が発令、朝廷は恐怖支配へ
- 寧姫は降伏を提言するが、脅しで封じられる
- 崩壊が迫る新鄭、次回は洛亜完の動向に注目!
キングダム833話は、韓という国の“末期症状”が凝縮された回でした。
寧姫の勇気ある叫びが、誰かに届く日は来るのか──
次回834話にも期待です!